
[とくダネ!ナオキ 第122話]EU製造物責任指令(DIRECTIVE (EU) 2024/2853)の現況
第69話で話題にしたEU製造物責任指令に関する話題です。ご存じのように新しい指令では製造物の定義に従来の製造物に加えてソフトウェア、AIシステム、デジタルサービス、クラウド接続なども製造物に含められます。
指令(Directive)なので加盟国は2026年12月9日までに対応する国内法を制定しなければなりません。2026年9月28日時点で国内法が制定されているのはEUのWebサイトによれば以下のようにCroatiaとHungaryの2か国だけです。


注記:上記画面のMACHINE TRANSLATIONはクリックすると英語以外の23加盟国の公用語に機械翻訳できることを示しています。
上記を含んだ各国の対応状況は以下のURLで調べることができます。
https://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/NIM/?uri=oj%3AL_202402853
あと2か月余なので、続々と対応が進むと予測されます。時々上記URLをチェックされることをお勧めします。
製造物責任指令に関してテクニカルコミュニケーターが取扱説明書制作時に注意すべきは以下のことです。
4項目以外は日本の製造物責任法に対しても当てはまります。
- 説明書の警告が、欠陥の有無を判断する材料になることがある
必要な注意が抜けている、目立たない、対象となる使い方が曖昧といった点は、製品の安全性に関する評価に影響し得る。
- 予見できる誤使用も考慮に入れる
例えば、清掃、消耗品交換、子どもや高齢者の使用などで実際に起こりそうな使い方を想定し、必要な注意を利用者に伝えることが必要。
- 記載の一貫性を保つ
説明書、製品表示、ウェブ上の案内、更新通知の内容が食い違うと、利用者が安全な使い方を判断しにくくなるので注意が必要。
- EU向けでは、ソフトウェアや更新後の安全性も視野に入れる
家電製品であっても、ネットワークに接続される家電では、更新の案内、更新しない場合の影響、安全機能との関係なども説明に含める。