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[とくダネ!ナオキ 第99話]レイアウトデザインはとても大事

散歩中に言いたいことがいっぱいある看板を見かけたので紹介します。

著者が言いたいことがいっぱいある看板

最初は「赤はだめ はい横断」と読み、不思議な標語だと思いました。「だめ」の下の空白が「断」の下の空白より大きいので上の2行がひとかたまりだと感じてしまい、さらに下部の文字が草で隠されているために、そのように読んでしまったのでしょう。

読み間違えた看板

もう少し伝わりやすくできないかと思って作ってみたのが次です。

もう少し伝わりやすくできないかと思って作ってみた看板

語順と配置を換え、さらに「事故多発場所」は読み手に伝えたい情報の性質が違うので横書き2行にし、「事故」の文字サイズを大きくして強調してみました。

しかし、異見はあると思いますが、個人的には、次のように「事故多発場所」を削除したほうが、デザイン的にすっきりし、且つこの看板の目的は達せると思います。

デザイン的にすっきりさせた看板

次は物理的制約によってレイアウトが崩れてしまった例です。

物理的制約によってレイアウトが崩れてしまった看板

不動産仲介業者の入口の引き戸に書かれたコピーです。かまちによって文字群が2組に分けられています。いつも見ているのでわかってはいるのに、この案内表示を見るたびに、私はどうしても「安部探」と縦に読んでしまいます。

別の入口にあるのが次の表示です。

別の入口にある看板

これだと框がないので読み間違えることはありません。「安」と「心」がつながるデザインになっているからです。

このように情報が分離する問題は、冊子トリセツの見開きページでも起こりうることです。上記の框が見開きページの綴じ部分に対応します。両方のページを行ったり来たりして読んでほしい見開きページがあったとします。読者の視線をうまく誘導できるデザインが実現できないと、左ページを読んでいる読者は右ページに視線を移しません。それにより情報が正しく伝わらないということが起きます。読者の皆さんも思い当たる方は多いのではないでしょうか。情けないことに、私はいまだにお勧めできる解決方法を知りません。

次は、改行位置が適切でなく、さらに難しい用語を使ったために、わかりにくくなった表示の例を一つ。東京都心部の混雑する駅のホームには「先発乗車位置」と「次発乗車位置」と呼ばれる電車を待つためのエリアが設けられています。特に始発駅では、先発乗車位置に人が多いときには、座席に座りたいひとは次発乗車位置に並びます。次は都心部のある始発駅のホームに表示されているものです。

始発駅のホームに表示されている標示

これは、2行目の改行位置が、適切とはいえないレイアウトです。「のみと」の直後で改行すべきです。また、狭隘部というあまり一般に使われない表現があります。この表示を読んだときに視線がそこで止まり、記憶を呼び起こさなければならなくなります。読みにくい表現といえます。「狭隘部のため」でなく「狭いため」としたほうがずっと読みやすく、わかりやすくなり、且つデザイン的にもすっきりします。「狭隘部のため」を「狭いため」に変更したのが次の左の図です。さらに先発乗車位置のみというのは「次発乗車位置」がないということなので、座りたい乗客を考慮してそれを示したのが右の図です。

「狭隘部のため」を「狭いため」に変更した標示
座りたい乗客を考慮してそれを示した標示

個人的には右が良いと思っています。これは好みの問題ですねw

徳田直樹 プロフィール

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