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とくダネ!ナオキ

[とくダネ!ナオキ 第48話]音響用タッチ式スイッチは誰のため?

以前、交差点の押しボタンについて話題にしたことがありますが、別パターンの表示に気が付いたので再度取り上げます。

以前は音響用押しボタンが付いた信号機でしたね。
[とくダネ!ナオキ 第23話]音響用押しボタンは誰のため?

今回気が付いたのは次の表示です。

青延長用押しボタン

青延長用押ボタンですか。私は見たことがありませんが、青信号の時間を延ばすためのものですね?

そうです、ボタンの使用目的は明解ですね。ボタンの上のアイコンを見れば車いすを使用する人や杖を使用する人のためであることもすぐにわかります。誰のためなどと考える必要もありません。

音響用押しボタンとは正反対ですね。(笑)

私のようにテクニカルライターを自負する者にとってお手本になる説明です。他にも似たものがないか調べると田町駅前の信号に次の表示がありました。

田町駅前の表示

あ、これは以前取り上げたUni-Voice対応の表示ですね?

Pressを動詞として読めば英語もわかりやすいように思います。ちなみにネイティブに意味がわかるか訊いてみましたが、分かると言ったので英語はOKです。ただ、ホントのところ作った側はPressを名詞として使っているのではないかと思うのですがね。

さておき、ボタンのアイコンも最初に示したものと同じです。

なるほど、青延長用押ボタンに各国語の音声案内が付いた信号機ということですね。

これらの2つはよい例です。ある意味お手本にすらなるものかもしれません。しかし、さらに探すと、穴八幡の前の交差点で何か言わねば気が済まぬものを見つけました。

穴八幡の交差点の表示

音響用タッチ式スイッチ!?

この表示は前回話題にした「押しボタン」を「タッチスイッチ」に変えただけのものです。しかし、新しいのに前のものより良くないと思ったのです。スイッチ部分の拡大写真がこれです。

音響用タッチ式スイッチの操作部

どこをタッチしたらよいか、パッと見てわかりますか?

青い部分でしょうか? スイッチがどれなのかわかりにくいですね。

そうです。この形状では、どの部分がタッチスイッチなのか目の不自由な人には分からないのではないでしょうか? 目の不自由な人は色の違いが分かりにくい場合も多いのです。

それなのに、よく似たサイズの盛り上がった角の丸い四角のでっぱりが2つありますが、触っただけでは区別がつきにくいと思います。

私には、これが目の不自由な人に配慮したデザインとは到底思えません。

確かに、手をかざせば反応するのか、押し込まないといけないのかすらわかりませんね。

タッチスイッチの下に「目の不自由な方 専用」と書かれています。当然これは読める人(健常者)向けのメッセージと考えられ、間接的に、読める人に対してタッチすることを禁止しています。

では誰がこのスイッチを使えるのでしょうか?

視覚障害を持った人ですよね?

そうです。タッチを許されるのは目の不自由な人だけです。つまり視覚障害を持つ人の中で、このスイッチの存在と構造を前もって誰かに教えてもらった人だけがこのスイッチを利用できる、ということになるのです。

東京では公告などで大きく報じているのですか?

いいえ、以前音響用押しボタンを話題にしたときから、積極的に都などからの告知は記憶にありません。

と言うことは、バージョンアップした音響用タッチ式スイッチも誰のため?ということになりますか。

そうです。屁理屈だと思わないで聴いてほしいのですが、このような人の安全にかかわる公共物は最大限の配慮をして作ってほしいという私の願いです。

その方が税金のムダにもなりませんね。

徳田直樹 プロフィール