[とくダネ!ナオキ 第118話]また禁止標識の話か…と言わずに読んでください
これまでも何度か禁止標識について書きました。今回は読者からのメールに添付されていた写真から話が始まります。

これは映画「ジュラシックワールド/復活の大地」(2025年スピルバーグ監督)の一コマです。この読者は次のように言っておられます。
禁止マークのNが逆ですねぇ。日本的に言うと小道具さんに知識が無かった、ということでしょうが、巨匠はじめ誰も気づかなかった、もしくはそんなトコこだわらないアメリカ映画!という文化でしょうか…😅
写真の左下部を拡大・修正したのが次です。

ISO 3864-1で定義されている禁止標識はご存じの通り次のとおりです。斜線の角度は45度です。

映画で使われている標識の斜線は明らかに逆ですね。
斜線の向きは、私も時々迷います。そんな時は禁止だからNoをデザイン化したものだと考えるようにしています。Nの斜線と同じ向きと覚えているのです。
また、禁止標識の下のメッセージに指示標識(mandatory action signs)と組み合わせるべきメッセージが書かれていることも気になります。すなわち、
Extinguish fires
Do not allow smoke
to billow
の1行目が「火を消しなさい」とストレートな指示表現になっていることです。この表示を見た人が火をつけてしまっていることが前提の指示です。1行目だけを見ると違和感を覚えます。しかし、2,3行目で「煙がもうもうと立ち上がらないようにしてください」と、つけてしまった火を消すときの禁止事項を説明しています。つまり、3行は一組のメッセージなのですが、省略しすぎだと私は思いました。そこで、試しに私がこのメッセージを書いてみました。
Do not use fire.
If you start a fire, extinguish it immediately,
and do not allow smoke to billow.
でも、これでは長く説明的すぎて読んでもらえない可能性があります。米国人にはオリジナルのままでこの内容を読み取れるでしょう。オリジナルのままでよいというのが結論です。私が国際規格にとらわれすぎているのです。そのことはすでにチャッピーに見抜かれています。それは日ごろの回答から明らかですwww
しかし、一般の人々は斜線の向きや数にはこだわっていないようです。それでも意味が理解できるからでしょう。このように規格と異なる表現は、いろんな場所で見られます。次は都営地下鉄駅構内のトイレにある表示です。

このケースではバッテンになっています。×で禁止の意味を表しているのでしょう。このように巷では国際規格とは異なる標識が普通に使われています。でも、とくダネの読者の皆様、テクニカルコミュニケーターとして、利用者用情報には国際規格に規定された標識を使用してください。
実は、上記の映画の画面で私が気になったことがほかにもあります。字幕に「Danger」の訳語が書かれていないことです。「危険」という用語は軽く扱われているということを再確認した思いです。