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パセイジ通信

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[とくダネ!ナオキ 第25話]オノマトペは分かりやすいのか?

今日のテーマは事前に聞いていませんでしたが、テレビからのネタだとか?

そうです。またまたタモリ倶楽部です。

何かタモリ倶楽部とは縁がありますね。(『弊社顧問の徳田が「タモリ倶楽部」に出演!?』

今回は出演したわけではなく、テレビでタモリ倶楽部を見ていたらたまたま次の画面が目に入ったのです。

番組の意図とは関係なく、オノマトペの使い方が気になりました。 あらためて『はたしてオノマトペはわかりやすいのだろうか?』と考えたのです。

そこで代表的な家電各社の冷蔵庫のマニュアルで温度変化による軋み音の表現を調べてみました。

メーカー オノマトペ記載 配信音
シャープ バキッ パキッ ビシッ ボコッ きしみ音
東芝 ピシッ ミシッ 音源のみ
パナソニック ビシッ バシッ 冷蔵庫全体からの「ビシッ」「バシッ」音
日立 ピシッ こんな音がしたとき(冷蔵庫)
三菱 ピシッ 冷蔵庫「冷蔵庫から音」

冷蔵庫の軋み音だけで8種類のオノマトペ表現がありました。今の時代は各社インターネット経由で音が聞けるようになっています。

こういう異音がしたときは故障の可能性があります、という記載ですね。

三菱だけは1つの動画ですべての音が聞けたのですが、目的の音が聞けるまでが長い(3分54秒あたりから)です。東芝以外は動画が見られますが、東芝は動画なしで音だけ提供されています。 これは私が見つけたサイトだけかも知れませんので、これについての評価はしません。

音を聞いてみてどう感じましたか?

すべて聞いてみましたが、いずれの音源からもオノマトペ表現から想像した音には私には聞こえませんでした。1つ聞いてみてください。

わかりました。(30秒程度の動画視聴) シャープを聞いてみましたが、確かに「バキッ」、「ビシッ」、「ボコッ」という表現とは違う音のように感じます。

そうでしょ。

私が所有しているのはパナソニックの冷蔵庫です。動画で再現される軋み音は、私には「コッ」という風に聞こえます。しかし、そのような表現はマニュアルのどの現象の音としても書かれていません。 そうすると、私の場合実際に冷蔵庫から聞こえた音から、必要な情報にたどり着くことはできないことになります。

今聞いてみましたが確かに私にも「コッ」と聞こえます。この場合「コッ」という音がする、という情報を探しますね。

他社の音も聞いてみましたが、どの音もマニュアルに表現されたオノマトペから想像する音には聞こえませんでした。私の想像力や感性が一般的ではないのでしょうか?

そんなことはないことにしておきましょう。(笑)

実は私の持っている一般常識では軋み音をオノマトペで表すと「ピシッ」なのです。どこでこのような常識を身に着けたのかは定かではありませんが、私がマニュアルを作るときに軋み音をオノマトペで表す場合は「ピシッ」になってしまうことは想像に難くないのです。これは困ったことです。

なるほど、あらためてオノマトペを考えたというのはそういうことですか。

ですから、マニュアルで音を表すのにオノマトペを使うのは正しいことであろうか? なぜオノマトペを使うのか? と考えました。

一般的にオノマトペを使うと表現力が向上し、訴求力が増すと言われます。プレゼンの最中にオノマトペを使えば聞いている人の関心を引き付けることができます。しかし、これらはリアルでアナログな世界の話です。

マニュアルは正確でなければならない。しかし、オノマトペには正確さという側面はありません。オノマトペを使う前提は読者が共通の認識を持っていることです。でも軋み音を実際に軋み音だと認識して聞いたことのある読者が多くいるとは思えないのです。

概念説明などで読者が共通認識を持っていると自信を持って仮定できる場合オノマトペを使うのは効果的だと思いますが、「こんなときには」や「故障かなと思ったら」に使うのは間違いではないだろうか。と、いろいろ考え直す時が来ているような気がします。

ありがとうございました。

徳田直樹 プロフィール