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[とくダネ!ナオキ 第115話]受け入れ難い表現

最近テレビのバラエティー番組などで、ゲストの若手俳優などが、自分が出演した映画の公開を紹介するときに

私たちの映画が公開します

と表現するのをよく耳にします。同じ表現を若手アナウンサーが使うことすらあります。これには違和感を覚えます。文法的に説明するなら、この文は次のような構造になっています。

主語:私たちの映画

格助詞:

述語:公開します

格助詞「が」は、その前の語が主語であることを表します。すなわち、この表現は、映画が主体となって何かを公開するという意味になります。これでは、日本語として不自然です。
通常、「公開する」の主語は制作会社などの能動的な主体です。映画が自分で公開することは、私の常識では、あり得ません。

「公開する」は他動詞です。この文脈では「映画」は「公開する」の目的語にしかなり得ません。上記表現には、「公開する」の主語となるものが含まれていません。放送時の状況では主語は暗黙の了解なのでしょう(もしかするとスポンサーの関係で出せないのかもしれません)。このように、主語を表現中に含めたくない場合、次のように受身の形とするのが日本語としては自然であり、文法的にも正しいと言えます。

私たちの映画が公開されます

しかし、SNSや広告の業界では最近、「〇〇が公開!」などのように「公開」が自動詞のような意味で使われているようなので、そういったことに若手俳優などは影響されているのかもしれません。

このようなコピー自体は、意味が自動詞のようだというだけで、「公開」は名詞なので問題はないのです。「する」を付けてサ変動詞にしたときに上記のような問題が生じるのです。言葉は時代によって変化することは承知している(つもりの)私でも、別の意味になるような表現は受け入れにくいです。ちなみに、ベテランの俳優が「映画が公開となります」と表現したのを聞いたときにはさすがベテランだと思いました。「公開」は名詞として使っています。

次に、私がパセイジ以外の仕事に関わったときに受けとったメッセージを紹介します(話題の対象はパセイジ関連の顧客ではありません)。

〇〇の領収書を発行したいです。

私は発信者とそれまで一度もメッセージのやり取りをしたことはありません。メッセージはこれだけです。このメッセージは発信者が領収書を発行したいと言っているとしか解釈できません。
しかし、私にはこの発信者から「〇〇の領収書」を受け取るいわれはありません。いったいこのメッセージは何を言いたいのでしょう。読者の皆様は既にお分かりでしょう。

実は、私が領収書を発行する立場なのです。
つまり、この発信者は私に「領収書を発行してください」と言いたかったのです。しかし、もとの表現では発信者が領収書を発行することになってしまいます。発信者は、SNSで主語を書かないことが習慣化していることと、丁寧語の使い方に慣れていないことがあいまって、このような表現を使ってしまったのだと想像します。若い人たちにはフォーマルな日本語の勉強をもっとしてほしいですね。

最後に、書籍のRFタグの話題です。街の書店で購入した書籍に次のような紙片(125mm×65mmの本文用紙より厚く名詞より薄い紙片)が挟まれていました。

書籍のRFタグに関する紙片

文字の部分を拡大したものが次です。

書籍のRFタグに関する文言

この説明ではRFタグを使用していることはわかりますが、それがどこにあるかがわかりません。書籍のどこかに貼られているかと思い調べてみましたがそれらしいものは見つかりませんでした。ネットで調べるとこの紙片にRFタグが組み込まれていることがわかりました。透過写真が次です。

RFタグを透過した写真

子供の誤飲防止をうたっているので口に入れることができるものだと考えてしまい、この用紙以外を探してしまいました。せめて

この用紙に書品管利用のRFタグが組み込まれています。
小さいお子様が紙を破ってRFタグを誤って飲み込まないようにご注意ください

くらいは書いてほしいと思いました。さらに、商品管理用なのだから書店で抜き取ってもかまわないはずです。そのほうが事故の確率が下がるのに、なぜ残したまま販売させるのか疑問に思います。出荷元は販売時にこの紙片を抜き取るように書店に指示すべきだと思います(もしかすると、指示しているのに書店が忘れただけかもしれませんが)。

徳田直樹 プロフィール

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