
[とくダネ!ナオキ 第92話]ささいなことかもしれません、しかし
歳のせいか、車内広告の表現に違和感を覚えることがよくあります。次の表現も車内広告で知った書籍の表紙の表現です。かなり話題になっている書籍らしいのですが、表紙にこのような表現を使ってしまう感覚が年寄りには理解できません。

違和感を覚えるのは「1000年古びない思考が身につく」という表現です。思考は動作・行為(考えること)を指すので身につくものではありません。思考が古びるという表現も今まで聞いたことがありません。「思考」の代わりに「思考法」や「思考力」が使われていれば、全く違和感を覚えなかったはずです。「1000年古びない思考力が身につく」では語呂が悪いと編集者が考えたのかもしれませんが、この1文字の省略はやりすぎのような気がします。
英語のタイトルはThird Millennium Thinkingです。これを直訳すれば「第3千年紀の思考法」となるでしょう。日本では1000年紀という考え方がポピュラーではないので、そのままタイトルにはできないと編集者は考えたのかもしれません。でも、私には意訳が過ぎると感じられます。私が英語のタイトルから感じるニュアンスは新しい思考法です。1000年古びないというニュアンスは感じられないのです。でも「新しい思考法」ではインパクトがありません。だからこの日本語タイトルなのかもしれません。
ごちゃごちゃ難癖をつけるのは年寄りの悪い癖です。ここで言ったことは本の内容とは一切関係ありません。読者の皆さん忘れてくださって結構です。