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[とくダネ!ナオキ 第76話]中国AI法を知るとディープシークは怖い(記事)
ディープシークショックから1週間以上たった今(2/4現在)も世間ではこのAIが話題になっています。しかし、中国AI法の条文を読んでしまった私はディープシークの使用を躊躇しています。中国AI法をご存じない方のために少し説明します。
この法律は正式名称を「生成式人工智能服务管理暂行办法」といいます。Googleでこれを翻訳すると「生成型人工知能サービスの管理に関する暫定措置」となります。ここでは「中国AI法」と呼ばせていただきます。中国AI法は2023年8月15日に施行されました。この法律の第4条第1項をGoogleで翻訳してみました。
第4条
生成AIサービスの提供および使用は、法律、行政法規を遵守し、社会道徳と倫理を尊重し、以下の規定を遵守しなければならない。
(1)社会主義の核心となる価値観を堅持し、国家権力の転覆を扇動し、社会主義体制を転覆させ、国家の安全と利益を危険にさらし、国のイメージを損ない、国の分裂を扇動し、国家の統一を損ない、社会の安定、テロリズム、過激主義、民族的憎悪、民族的差別、暴力、ポルノ、虚偽で有害な情報など、法律や行政規制で禁止されているコンテンツを助長するもの。
「生成AIを開発又は利用する人は社会主義の中核となる価値観を堅持し、中国の他の法律を遵守しなければならない」という意味に解釈できます。
国家権力の転覆や社会主義体制の転覆などという表現が入っているので検閲が行われることは容易に予測できます。
Perplexityによれば「中国政府の機微に触れる問題について質問すると回答がブロックされることが確認されています」とのことです。
やはり検閲が行われている気がします。私はこの法律に違反するとは思っていないのですが、臆病なのでこのAIは使用しないと思います。
ちなみに、Perplexityで米国内のサーバー上でオープンソースのDeepSeek-R1を使うことができるそうです。
米国内のサーバーが検閲されることはないでしょうが、オープンソースモデルには公開されていない仕様も多いようです。やはり怖いです。しかし、勇気ある方が試すのをお止めすることはできません。