[とくダネ!ナオキ 第7話]ライフサイクルごとの情報発信
前回までは主に安規情報についてお聞きしましたが、今回はマニュアルにまつわるホットな情報をお聞きしたいと思います。マニュアルの将来像なんて言うとちょっと広げすぎですが、最近の傾向などについて教えてください。
取扱情報の提供自体、製品のライフサイクル全般に亘って情報を出さないといけなくなってきました。つまり、最初に情報を出せば終わり、ということではなくなってきています。その情報発信をどのようにしていくか、という話ですが、メディアも選ばなければいけません。つまり、今後紙のマニュアルだけでは対応しきれないということです。
いわゆるマーケティング用語としてのライフサイクルではなく、ユーザーの製品使用に関するライフサイクルですね。
そうしますと、大まかには購入後の設置や準備、使用開始、使用中、不具合、修理、廃棄などということになると思います。そのライフサイクルに応じてマニュアルを郵送していたらコストが掛かり過ぎますね。
製品が廃棄されるまでの間に、今後は必要な情報提供を行わなければいけません。そうしたら、やはりWebを使うしかありません。たとえば、製品が廃棄されるまでに法律が変わったとしましょう。すると、提供する情報も変わる、あるいは変える必要が出てきます。イメージしやすいところで言うと、廃棄方法が変わったり、法律で制限されたりすると、廃棄のしかたに関する情報が変わります。
なるほど、今ならリチウムイオン電池なんかそうですね。
そうです、ゴミ収集車やゴミ処理場で事故の原因にもなっています。それに、そういうものが使われているかどうか、ユーザーが判断できない製品も出てきています。ワイヤレスイヤホンなどがその例です。充電式ワイヤレスなので、電池は必ず入っています。
それによく落とします。JR東日本によると、駅構内3か月で約1000件も発生しています。
線路内に落としたそれを拾うために電車遅延も発生しているそうですね。
前回の安規情報の話になりますが、ワイヤレスイヤホンのように独立型のものと、コード付きのイヤホンとでは、自ずと安規情報の書き方が変わってきます。コード付きタイプのイヤホンに電池は入っていません。でも、独立型のものにはそれぞれに電池が入っています。
どんなサイズのリチウムイオン電池が入っているのでしょうね?
私が使っている製品には電池の情報が何も書いてない。これでは情報不足ですよね、大丈夫なのかと思いますよ。情報として、この製品にはリチウムイオン電池が入っていますと書くべきです。だからほとんどの人は電池が入っていることを気にしていません。
それこそ安全面を考慮すれば、すごい日差しの中で使い続けた場合、熱を持って爆発したらどうするんでしょうか。そのような注意書きがあるのかどうか、それが不要なくらい安全性が高いのか、まったくわかりません。
リチウムイオン電池が搭載された製品1つとっても、製品のライフサイクルに応じて情報提供が必要になってきたという事情はよく分かりました。
ありがとうございました。