
ガチャでハイエンドネットワーク機器の夢を見た
「手のひらネットワーク機器」というガチャが販売されています。星の数ほど存在するガチャの中で、情シスのココロの琴線に触れまくり、財布の中身をスッカラカンにさせてしまうというシロモノです。そんなニッチなモノを商品化して果たして売れるのか?……実にギモンですが、これが発売当初からすこぶる好評のようです。INTEROP などの展示会で配布されていたりしたようですから、見かけた人、手にした人もおられるかもしれません。
対象年齢 15 歳以上となっていますが、15 歳でこんなものを喜んで手にしているとしたら将来オソロしい……いや、なんと頼もしい。
夢で見るしかない機器たち
この「手のひらネットワーク」は毎年のように新シリーズがリリースされており、今年 (2026 年) に第 4 弾が発売されました。シリーズひとつにつき 4 機種がモデル化されています。ガチャのカプセルひとつにつき、手のひらに載るサイズの機器のミニチュアが 1 つ、それに天板、棚板、支柱などのような「ラックの部品」の一部や、ケーブルなどのパーツが付属します。
パセイジごとき弱小中小零細企業が触れることも目にすることも到底なさそうなゴージャスでラグジュアリィで、まちがいなく「目ン玉飛び出るほどお高い」であろうデバイスばかりです。占めて 16 機種、機能・役割別に一覧にして見てみましょう。
| 分類 | 機種 (シリーズ) | 種類・役割 |
|---|---|---|
| ネットワーク基盤 | Cisco C9300-48UXM (1) | ネットワークスイッチ(L3スイッチ) |
| Apresia NP3000-24X4Q (2) | ||
| Extreme Networks 5720-48MXW (2) | ネットワークスイッチ(マルチギガビット対応) | |
| 古河電工 FITELnet FX2 (1) | マルチサービスルーター | |
| NEC UNIVERGE IX-R2530 (3) | 多機能ルーター | |
| XENOptics XSOS-576DLC (4) | 光スイッチ(光回線切替装置) | |
| セキュリティ | Fortinet FortiGate-3701F (2) | 次世代ファイアウォール(NGFW) |
| Cisco MX85 (1) | セキュリティ& SD-WAN アプライアンス | |
| アプリケーション配信 | A10 Thunder 7655S (1) | アプリケーションデリバリーコントローラー/ロードバランサー |
| F5 r12900-DS (3) | ||
| コンピューティング | Dell Technologies PowerEdge R760 (2) | ラックマウントサーバー |
| ストレージ | NetApp AFF A70 (3) | オールフラッシュストレージ |
| Lenovo ThinkSystem DM3200F (4) | ||
| 電源・可用性 | Schneider Electric APC Smart-UPS 1500 RM 2ULCD 100V (3) | UPS(無停電電源装置) |
| 運用管理 | セイコーソリューションズ SmartCS NS-2260 (4) | コンソールサーバー |
| Zabbix Enterprise Appliance ZS-7700 (4) | 監視アプライアンス(Zabbix サーバー) |
※各機種名の末尾の数字はシリーズ番号を示す
機能・役割で考えれば……ルーター・ファイアウォールとか UPS ならパセイジにもありますが、それ以外はトンと縁がなさそうなものばかり。スイッチにしてもパセイジにあるのは L2 スイッチのほうで、L3 スイッチではありません。だいいちワタシ自身、L2 スイッチと L3 スイッチの何がどう違うのか実はよぉくわかっていません (貴様、つまりワタシ、それでも情シスか?)。
メーカー名・製品名で見れば、Dell PowerEdge、FortiGate あたりがかろうじてパセイジでも使うことがありそうですが、ここにラインナップされている製品はハイエンド寄りなのでやはりパセイジには無縁のシロモノです。いったい、このラインナップは何を構築する気なのか? 重厚長大なデータセンターか大規模ネットワークができあがりそうです。
ネットワーク構成は偶然の産物
そんな「手のひらネットワーク機器」、ネットワーク管理者の端くれであるワタシとしては見過ごせません。いい大人の分際で、ウキウキ買い求めました。
ガチャというのはどこの店舗で売られているか誰も把握しておらず、都内のガチャ店舗を尋ねて店内を徘徊し、なければ別の店舗に出向いてやはり店内を徘徊……それでようやくお目当てのガチャを見つけて、100 円玉 5 枚を放り込んでゲットしました。そうです、おひとつ 500 円です。
最低でも 4 個買わないとラックが完成しません。4 回ガチャを回して、カブることなく 4 つ当てればめっけものですが、そんな都合のよい当たり方などするはずがありません。ラックが組めるものを引き当てるまで 100 円を投入し続け……当然、同じ機器がふたつかそれ以上手に入ります。大丈夫です、「冗長構成です! (キリッ)」と言えばよいのです。
ワタシがこの「手のひらネットワーク機器」の存在に気づいたのはシリーズ 2 が発売された時期で、前年のシリーズ 1 も「1.1」として再販されていました。なんとなくシリーズ 1 と 2 をランダムに回して 4 つゲット。幸いにも、下記の 4 つの機器を引き当てました。組み合わせによっては、ラックの支柱とか棚板が揃わないこともありえましたが、ワタシは無事にラックが組める構成でした。

UTM (セキュリティアプライアンス的側面が強いファイアウォール) がふたつあるのがだいぶ無駄にして無意味ですが、ファイアウォールとスイッチとサーバーという組み合わせですから、いちおうひととおり揃った構成です。偶然の産物とはいえ、なかなかよい引きです。
これが他の機器を引き当ててしまおうものなら、あまりにも縁が遠い機器構成となったに違いありません。アプリケーションデリバリーコントローラー? ロードバランサー? 外部に公開する何かを社内であつらえていて、そいつに外部から何百人も同時に殺到するようなものならそういう負荷分散の仕組みが必要でしょうが、全従業員と経営陣を含む 40 人程度がルーターに群がる程度の我が社には無縁です。
それ以外の機器も、たとえばオールフラッシュストレージなんかは、データセンターを構築して商売してはいませんから導入の実現可能性はゼロ。「もっとでっかい企業はこういうのいっぱい侍らせているんだろうなあ、すごいよなあ」とボンヤリ夢見るのが妥当というものです。まぁ、そういう企業さんのインフラとなるとメンテする手間も爆発的に多くなり、当然情シスはひとりどころか一個師団くらいいるでしょうねえ…… (遠い目)。
組んでみたらこうなった
ハイエンドネットワーク機器の夢に浸るのはほどほどにしつつ、真ん中の仕切りを隔ててなんとなく下側に機器を詰め込みました。熱対策とかそういうのはこの際脇に置きます。そして、空けっぱなしではナントモさびしいので、閻魔さまおみくじの人形を置きました。トラフィックの門番としてパケットを監視し、よろしくないものは地獄に送ってくれるに違いない、最強にして最凶にして最恐のセキュリティアプライアンス。見てくださいよ、この収まりのよさ。

なお、この閻魔さまおみくじもまたガチャです。福岡市内にある海元寺で入手できます。おひとつ 300 円です。
飾ってみたらこうなった
いいあんばいにできあがったラックは、PC の上のオブジェとなるのがド定番。ワタシも自分が使うデスクトップ PC の上に置きました。調子に乗って、やはりガチャでゲットした「切腹最中」のミニチュアをお供え物として置いときました……ガチャばっかりだな!

情シスなんかやっているせいで、PC のそばのパーティションは何やら小粋なツールだらけ……ということまでがよくわかる写真です。結束タイ、イジェクトピン、ドライバー、HDD から抜き取ったプラッタ (鏡の代わり)、ミニライト……実に雑然としています。スチール製のパーティションにイロイロと工具を磁石でくっつけているあたりがささやかに男のロマンです。こんな見苦しい光景を、現代の公共電波であるインターネットに載せるなというお叱りの声が聞こえてきそうで、実にヒンシュクものです。
ともあれ、しがないひとり情シスは、机の上の PC に置いたガチャのミニチュアを眺めて、エンタープライズなハイエンドネットワーク機器の夢を見るのでした。今回はここまでにしとうございます……あああ、いや、ちょっと待った、まだ続きが。
来年もまた夢を見る
記事を書き上げるのにボヤボヤと無駄に時間を食っているうちに、「手のひらネットワーク機器」第 5 弾ラインナップが決定したというニュースが視界に入りました。
一般投票によって決まったラインナップは、PoEスイッチ、UPS、アカウントアダプター、ストレージ。ちょっと身近な感じがしますし、何よりもプレスリリースにある投票者の生の声が現実感満載で実にステキです。2027 年 6 月の全国発売予定。性懲りもなく買うんだろうなあ、ワタシ……。
付記
本記事に登場する会社名・製品名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。