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[とくダネ!ナオキ 第32話]メーカー間の名称統一は重要!

今回のネタはリモコンということですが?

そうです。出張でたまたま宿泊したビジネスホテルでの出来事です。トイレのリモコンを操作しようとして戸惑ってしまいました。次のようなリモコンです。

ホテルのトイレのリモコン

ホテルのリモコン

あまり見かけないタイプのリモコンですね。一見して何の変哲もありませんが?

まずどのボタンを押すかで迷ってしまいました。日ごろお目にかかるリモコンとはまったく違うのです。

確かに、温水洗浄便座ではあまり見かけない名称がありますね。

一番上の段は快便です。「快便」の機能は分かりませんが、用を足した後に押すボタンではなさそうです。矢印の意味も分かりません。順番に見ていくと、3段目の洗浄/ムーブ(洗浄/ムーブ)が該当しそうだと思ったのですが、いつも見慣れているものとは違うので、若干の不安感を持ちながら操作しました。(笑)
結果は正解だったのですが、これは記事にしようと思いました。

さすが、気になるポイントが私などと違いますね。(笑)

日本国内の温水洗浄便座のシェアですが、上位3社の代表的なリモコンは次のとおりです。(順不同)

A社リモコン

A社リモコン

B社リモコン

B社リモコン

C社リモコン

C社リモコン

便座一体型とか製品によりリモコンは少し異なると思いますが、だいたい馴染みのあるリモコンです。

最初に目に入るボタンは3社ともに同じです。C社は「おしり」と「ビデ」の間に「やわらか」が入りますが、基本は同じと考えてよいですね。これが重要なのです。3社でシェアのほぼ9割を押さえています。
そのユーザーのほとんどは「止」。「おしり」、「ビデ」になじんでいると考えてよいでしょう。シェアが小さいとはいえ、異なるボタン配置と図記号を使うのはユーザーに対する配慮がないと言えますね。
さらに図記号は3社ともにJIS S0103:2018に規定する図記号を使っています。これらは「乾燥」を除けばISO 7000にも登録されている図記号なのです。

トイレ操作系ピクトグラム(JIS S0103:2018)

トイレ操作系ピクトグラム(JIS S0103:2018)、一般社団法人 日本レストルーム工業会より

なるほど、以前に話題にしたピクトグラムと同じような考え方ですね。

さて、冒頭のホテルのリモコンですが、JISやISOという規格は眼中にないようです。こんな製品を一般ユーザーに広げてほしくはありません。ホテルに導入されたのはコストの問題だと容易に想像できますが、担当者もリモコンボタンのデザイン統一とまでは気が回らなかったのでしょう。

なるほど、シビアに見るとそういうことになりますね。

サービス面でもマイナスです。また、JIS S0103に準拠していないということは、JIS S 0012:2018「消費生活用製品のアクセシビリティー一般要求事項」にも準拠していないことになります。

リモコンの品番が映り込んでいますので検索してみました。とあるメーカーの汎用リモコンですね。やはりホテルは設備コストを抑えるためにこういう製品を採用した、ということですね。
でも、トイレにおいてもこのような汎用リモコンが成立するのですから、各社ある程度取り決めみたいなものはあるということですね?

国内メーカー各社は業界団体である日本レストルーム工業会のガイドラインに従っていると思います。

トイレ業界ではボタンや機能の名称統一が進んではいますが、製品分野によってはメーカー間で全く統一が取れていないということも珍しくありません。ユーザー無視で開発技術者のプライドを守るための名称が幅を利かせていることもあります。これは業界団体が解決すべき問題であると言いたかったのです。

冒頭で紹介したリモコンの快便(快便)やKids(Kids)という機能名称とピクトグラムがいかにおかしいか、ということがわかりますよね。

「Kids」は「パワフル」の左側ですからやわらかだと思いますが、「快便」はなんでしょうね。使ってみたらわかる、というヤツでしょうか。超強力だったら痔の人には命とりです。(笑)

「快便」は水の勢いが周期的に変化しました。

あ! アレですか。
なるほど、以前にも俎上に上がりましたが、機能名というのは何ができる機能なのか、ということが直感的に伝わらないと意味がないですよね。

そういうことですね。

最後に、これも以前に話題に上げた中吊り広告の続きです。
またまた、強烈なインパクトを与える中吊り広告を見つけました。

中刷りポスター

中刷り広告

また美容脱毛の広告ですか!?

「毛を生やす機能を壊します。」って「毛根を破壊します」より強烈ですよね。人体に悪い影響はないのかと考えてしまいました。
曲がりなりにも医療行為であるのに、どういう感性の持ち主が作ったコピーなのか?と思うと同時に、美容外科とはいえクリニックの表現としてこれでいいのかな?とも考えさせられました。

水に流しましょう、とはならないですね。(笑)
ありがとうございました。

徳田直樹 プロフィール