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[とくダネ!ナオキ 第102話]TVが災害時に使う図記号

地震速報の際にTV各局の画面に出る図記号について考えてみます。私が確認した主要キー局が画面上に表示した図記号を次に示します。TBSは図記号を使っていませんでした。

NHK

日本テレビ

テレビ朝日

フジテレビ

各局ともに、関係者が図記号の意味と使い方がよくわかっていらっしゃらないようです。

NHKが使用した図記号はJIS Z 8210-6.3.9

JIS Z 8210-6.3.9

の色を変えたものです。本来この図記号はこの図記号が表示された場所は地震の際に津波が来る恐れのある場所であることを示す図記号です。これではTV画面のある場所すべてに津波が来る恐れがあるといっていることになってしまいます。

日本テレビが使用した図記号はJIS Z 8210-6.1.7

JIS Z 8210-6.1.7

のデザインを少し変えて色を赤にしたものです。これは本来津波が来る恐れがあるときの避難場所(建物)を示す図記号です。緑は安全な場所であることを表します。日本テレビの図記号は、背景色を、危険を表す赤に変えたため、人が危険な街の中を逃げているようにしか見えません。何を伝えたいのかがよくわかりません。

テレビ朝日が使用した図記号はJIS Z 8201-6.1.6

JIS Z 8201-6.1.6

のデザインの色を変え、TSUNAMIの文字を下に追加したものです。左の部分が津波であることを認識でない人もいると思われるので、文字を追加したことは評価できます。しかし、JIS Z 8201-6.1.6の図記号は本来津波が来る恐れがあるときの避難場所(高台)を示す図記号です。テレビ朝日の図記号は黄色を使っているので、私には津波が来る恐れがあるから高台へ逃げてくださいという意味にはぎりぎり解釈できるような気がします。

フジテレビの図記号もJIS Z 8201-6.1.6の変形です。この絵は津波が来るので坂を駆け上がって逃げている人を描いただけに見えます。高台の意味は消えています。色は危険を示す赤です。危険だとは言っていますが、逃げる先を示してはいません。

いずれにせよ図記号の使い方は正しいとはいえません。実は、平成28年3月23日に内閣府が各都道府県防災部局宛に「災害種別図記号による避難場所表示の標準化の取組について」の事務連絡を発しています。その中で「本通知について、市区町村や関係機関への周知を図ること」および「避難場所等の標準表示方法の周知・普及を図ること」と言っています。したがって、各テレビ局はこれらの図記号を知っているはずです。知らなければ東京都が知らせなかったことになりますが、それは可能性が低いと思います。放送に携わる人たちにそれが正しく理解されていないだけだと思います。

このような場合にテレビ局が使える図記号があります。それがJIS Z 8210-6.5.3

JIS Z 8210-6.5.3

です。これは、災害種別を表す一般図記号の中の「津波」を表す図記号です。これに「津波に注意」などの文字を併用すればいいと思います。一般の人はほとんどこの図記号を見たことはないでしょう。テレビ局がこの図記号をもっと使わなければ一般には周知されません。テレビ局にはその役割があるはずです。

個人的には役所の通知やJISの文章表現がわかりにくいので普及しないのだと思っています。

徳田直樹 プロフィール

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