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[とくダネ!ナオキ 第73話]電気用品のリチウムイオンバッテリーの技術基準変更(記事)

12月28日以降、電気用品のリチウムイオンバッテリーの技術基準が変わります。
令和4年12月28日に電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈の一部が改正され、今年の12月28日から全面適用されます。
具体的に言うと市販されているリチウムイオンバッテリーの中の粗悪品が市場から駆逐されるだろうということです。NITEの調べでは2019年以降、充電式電動工具と充電式掃除機の非純正互換バッテリーによる発火事故が急増していたのです。
リチウムイオンバッテリーは多数のセルからできており、安全のためにはセルごとに電圧監視を行う必要があります。もし電圧監視が行われていないセルがあると、そのセルが過充電される可能性があり、最悪の場合発火するのです。

各電池ブロックの電圧監視の有無

<経済産業省の資料(下記URL参照)より>
https://www.meti.go.jp/policy/consumer/seian/denan/file/04_cn/ts/20130605_3/outline/kaiseigaiyou221228_b9_shinsakizyun.pdf

今までの技術基準では、すべてのセルの電圧監視は行わなくてもよいと解釈できたので、すべてのセルの電圧を監視しない粗悪品が市場に出回っていたのです。そこで、そのような解釈ができないように技術基準を定める省令が改正されたのです。

ここで、最近増えてきた中国製のBEVのバッテリーについて考えてみました。上記の改正は電気用品のリチウムイオンバッテリーに対する法律の改正です。電気用品安全法には、自動車用、原動機付自転車用、医療用機械器具用及び産業用機械器具用のものを除く、という記載があります。自動車のバッテリーに適用される法律や規格は電気用品安全法ではありません。国土交通省のホームページを見てもこれに類する記載は見つかりませんでした。インターネット上には中国製のBEVのバッテリーは全てのセルの電圧開始を行っているかどうかが不明だという記事がいくつか見つかりました。BEVのバッテリーは電気用品用のものより大きくて複雑なので、とても気になります。

徳田直樹 プロフィール