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パセイジ通信

とくダネ!ナオキ
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[とくダネ!ナオキ 第5話]国際規格の方向性とJISの課題

前回はリスクについてお聞きしましたが、今回は危険などの言葉の使い方や、規格についてお聞きします。

新しい国際規格[IEC82079-1]では、危険などの単語を翻訳で扱うのはあまり効果がないので、フレーズで記述しなさいということになっています。たとえば、「死ぬ危険」という記載です。死という言葉が入ったとたんに危険と言う言葉のニュアンスが大きく変わります。

これはフランスなどでも見たことがありますが、川の堤防などには「溺死の危険」と書いてあります。

より具体的ですね。

そういうフレーズの方がより効果的ではないか、というのが新しい規格の方向性です。もはやシグナルワード(危険・警告・注意)というのは効果がないというのが今の考え方です。 ISO3864-2の2012年版ではシグナルワードを使うことになっています。ところが、2016年版ではオプショナルになりました。つまり、使わなくてもいいということです。実際のサンプルでも、赤い背景の三角マークだけで、DANGERという文字は入っていません。

それら危険とか警告などの定義に関してはこのISO3864-2から適用していることが多く、あとはISO/IECガイド51などの指針も利用することが多くあります。

やはり国際規格としてのISOが主導したり進んでいたり、それをJISにも取り込んでいくという流れですか?

そうですね。ただし、JISは遅れがちで、下手をすると二世代くらい遅れます。ようするに翻訳してから検証しても策定まで追いつきません。

違う次元では、変えたくない、というバイアスが至る所から出ていると感じることがあります。要するに今のままで行きたいから変えたくない、というバイアスです。

それは民間からですか? 行政からということですか?

いろんなところからです。

ですから、ISOが変わってもJISが変わらない、ということは往々にしてあります。普通、規格は4年に1回見直します。先ほど言ったとおり、2012年版で規定されていたことが2016年版では変わっています。

そういうように、元来、規格というのは世の中の流れや要求されることが変化するにつれ、どんどん変えていかなければならないものなのです。

マニュアルで言うと、安規情報を変えたくないんですよ。つまり、過去にあった記述を消したくないのです。消さなきゃいけないのに消えずに残っている、というのが現在の状況です。だからものすごい膨大な量の記述になってしまっています。どんどん増えていって、消さないんです。(笑)

たとえばあるメーカーさん。部門によってその対応はすごく違っています。つまり危機感のある部門と、そうでない部門があるわけです。 マニュアルにおける今の安規情報については、そんな状況です。だから整理しないといけないし、実はもっと整理できるのです。

ありがとうございました。

徳田直樹 プロフィール