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パセイジ通信

ひとり情シス奮闘記

パセイジはこうして在宅勤務を実現した⑦~ Web 会議は踊る

国・政府・自治体の要請で、ホワイトカラーの人たちを中心にこぞってご自宅に巣篭りをしたので、従来までの「対面で話す」というのができなくなったのはご存じのとおりです。パセイジでも、社内だけでなくお客様も同じように在宅勤務をしていたため、2020年の春から確実にWeb会議の機会が増加しました。

お客様からWeb会議を招待されたときは当然ながら指定されたツールを使いますが、パセイジで会議を主催する場合もあります。利用実績があるツールについてお話しします。

のっけからツール比較

現在、パセイジでは主に3つのWeb会議ツールを利用しています。お客様から招待された場合の指定ツールなど、細かいことを言えば他にもあるのですが、ここではカイシャ公式提供ツールに話を絞ります。

いきなりですが、それぞれを順に語る間に、比較表を載せます。

Web会議ツール比較論

……これだとTeams一択ではないかと結論づけてしまっているも同然ですが、実際はそう簡単な話でもなく、なんだかんだでアレコレ使い分けているのが現状です。

Zoom

無償プランでの利用ですが、2~3年ほど前からZoomは使っていました。半年に一度の朝礼や月末の定例会議など、東京本社主催のイベントを大阪営業所に中継するというのが主な用途でした。

Zoomは2020年にセキュリティ面の実装に問題があると指摘されたことで競合ツールに大きく水をあけられてしまいましたが、それでも今もなお会議の通話・通信品質ならびにインターフェイスの面でいちばん優れていると思います。無償プランでは「3人以上の会議は40分制限発動」のため、1対1のWeb会議は快適ですが、3人以上になるとタイムリミットに追われます。会議や講義は一般的に1時間とか45分とか50分刻みなので、この40分制限というのは実にうまい長さ設定です。酷いときは、朝礼の途中で40分を超え、中継が途中で強制終了したことも……会議進行って重要。

これは代理店様に教えてもらったのですが、Zoomは会議ではなく講演、いわゆるウェビナーなどに多く利用されているようです。テクニカルコミュニケーター協会によるTCシンポジウムも、昨年はウェビナーでの開催となりましたが、Zoomを利用したと聞いています。そういう制約もあって、在宅勤務やテレワークのWeb会議には、Zoomはあまり使われていない気がします。

Google Meet

ビジネス向けのGmailは本来G Suiteの一部ですので、メーラー以外にも多くのアプリを利用できます。ビデオ会議ツールであるMeetもそのひとつです。ChromeベースでGmailを使っている人にとっては、そのまますぐにMeetに切り替えることができるなど、とにかくGmailとの親和性が高く、使い始めやすいのがメリットです。

第一次在宅勤務期間中、週に1回会議をしている営業社員さんに声をかけて、MeetによるWeb会議テストをしたのですが、十数名の人間が一斉に参加したせいか、音声がよくなくて会議にならなかったという苦い経験があります。当時は今に比べて自粛で家に留まっている人が多く、自宅でのインターネット回線の遅延がもっとも激しかった時期だったはずですが、それにしても会議が不安定なので、Meetでの会議の利用は控えるようになりました。

メモリーを食うことで定評があるChromeの上で動作するせいか、Meetはちょっとした弾みで不安定になりやすいようです。複数名で会議中に、大きな画像ファイルを画面共有した途端に、こちらの音声が相手にまったく届かなかったことがありました。会議の途中で不安定になったら映像をオフにして音声のみにして切り抜けるという人もいたようです。

パセイジでは、週に1回の営業会議などに一定の需要がありますが、そういう用途にはちょっと向いていないという感想です。他方、手軽に利用し始められますから、少人数でサクッとWeb会議をするにはMeetは向いていると思います。

Microsoft Team

Microsoft Office(Word、Excelなど)は大昔から標準アプリのようなものでしたが、数年前からOffice 365を導入するようになりました。それまでは「ボリュームライセンスを人数分入手」とか「PC 本体にバンドルで購入」していたのですが、ライセンス管理が煩雑というか面倒極まりなかったので、Office 365に移行したわけです。ライセンス管理の面では劇的にラクになりましたし、PC を新しく買うたびにバンドルでOfficeを買わなくて済むようになりました。

そのOffice 365ですが、試用版とはいえ、Teamsの利用が可能でしたので、毎週恒例の営業会議に試しに使ってみたところ、利用制限がなくて通話・通信品質が最も安定していたので、社内でWeb会議をする用途にはTeamsを案内しています。

ところが、よくよく調べてみると、その当時契約していたOffice 365のプランには、正式版としてのTeamsは含まれておらず、試用版(Exploratoryとかいう何だか舌噛みそうな名目扱い)だということが判明しました。それでも決定的な利用制限がなかったのですが、その試用版としての利用は2021年1月までらしい……結局、Office 365(現在では正しくはMicrosoft 365)のプランをアップグレードしました。

Teamsも他のアプリもそうなのですが、弊社内のOffice 365用の独自ドメインに基づくユーザー管理になりますので、利用案内がちょっと難しいのですよね。たとえばTeamsで会議を予約して参加者を登録しても、その参加者が同じようにTeamsを起動していないと通知を受け取れません(社用メールには通知が飛ばない)。このあたりはちょっとずつ根気よく説明して、利用機会が多い営業のみですがある程度定着しました。今はMicrosoft 365のプランをアップグレードしたことでExchange Onlineの利用が可能となっていますので、Outlook(アプリ版またはOutlook Online)をうまく設定すれば通常の社用メールアドレスに転送できるのかもしれませんが、ワタシの知識が追い付かず、今は設定と格闘中……。

ところで、Teamsは世間一般でもWeb会議ツールとして解説されていることが多いのですが、Web会議は機能の一部でしかなく、本来はチャットやファイル共有を含むグループウェア的なアプリケーションで、その気になればチャットもこちらに統合し、何となれば資料の共有も可能なのですが、パセイジではほぼWeb会議にしか利用していません(面倒とか難解とかそういう理由)。こういうのって、入れ物としてのチャンネルなどの設計が重要になりますし、よしんば組織設計したところで、社員さんが馴染めるかどうかも未知数ですし。

Web会議は踊る・されど進まず?

在宅勤務にあたり爆発的に利用者が増えたチャットの導入は進んでいたのに対し、Web会議の経験は乏しかったので、いろいろ試行錯誤の日々でした。リモートでの会議が少しでもしやすいように、昨年の夏に大きめのモニターとスタンド、USBカメラマイクスピーカーを調達して会議室に設置しました。今ではお客様から招待された打ち合わせのためのWeb会議だけでなく、社内的なキックオフミーティングのためのWeb会議も発生するようになっています。会議室ひとつではとても足りない……。

あとは、ツールが増えてしまったというのも悩みと言えば悩みです。たとえばチャットもWeb会議も本来ならTeamsだけで済みますので、ひとつに揃えたほうが経費面でも利用の利便性でもよいのかもしれません。ただ、ツールによって得意とするところと不得意なところがありますし、用途に応じて最適なものを使うというのもまちがいではないと言い聞かせることにしています。必要とする機能を社員さんが前向きに利用できるようになっているのがいちばんかなぁ……という半ば勝手な思いで各種ツールを取りそろえているという話をしたところで、今回はここまでにしとうございます。